クリケットのルール、変わるってよ(その2)
一般のプレイヤーに関係がないもの
先週に引き続き解説していきます。
「僕/私はプレイヤーじゃないけど海外の試合は良くネットのストリーミングで観戦してます」な人が対象です。
そんな人いないんじゃ…?
TVリプレイ関係
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バットが一旦クリースを超えたら空中に浮いてもセーフ
いきなりマニアックになりましたね。
。クリースを超えたにも関わらず地面の出っ張りにバットがつっかかり、空中に浮いてしまったところでウィケットにリターンが当たりアピール。その後TVリプレイをサードアンパイアが検証してアウトといった実際のケースを受けての改正です。まさしく判定チャレンジ前提のプロスポーツに即した改正といえます。
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ボールがバットとパッド同時に当たった場合LBWにならない
文字通りです。TVリプレイでコマ送り検証が可能になったので明文化。
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チャレンジ後のアンパイアズコールでチャレンジ減らない
DRSでアンパイアズコールとなりアンパイアの判定が覆らなくてもチャレンジが減らなくなりました。代わりに80オーバーを過ぎてもチャレンジ権は回復しません。
用具関係
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ベールをスタンプに紐付け可
吹っ飛んだベールがウィケット近くのキーパーの目に入るという痛ましい事件を受けての改正。
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ジュニア用バット特例
プロレベルでは認められていなかった色つきのバットが普及促進の名目でジュニア用バットにのみ使用可能に。ちなみにオーストラリアのBBLでも色つきバット使用可能。
また、バットの価格高騰抑制のためジュニア用に限り合板が使用可能になりました。
アンパイア関係
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プレイ中断の判断リスク回避
アンパイア1人が雨天等の影響によりプレイ中断すべきと判断したらプレイが中断するようになりました。今までは両アンパイアが合意しないと中断できませんでした。
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国際試合規定もろもろ
テストでの補欠が4人→6人に。
インターバル前にウィケットが落ちた場合オーバー中断と判断する基準が残り2分→3分に。
T20Iでオーバーが短縮された場合ボーラーあたりの最低オーバー数が2に。
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ハンドルドザボール削除
ウィケットに当たりそうになったボールを手で邪魔したりランアウトにしようとしたリターンを手で弾くとこのアウトになったのですが、オブストラクションに統一。これによりアウトの種類が10から9に減少。プレイヤーとしてはスコアシートの名称が変わるだけで全く影響はありません。
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フルトスのノーボールへの規制強化
今までは腰より高いノーボールに対してアンパイアが球速やバッツマンへの危険性を考慮した上でボーラーに警告または投球中止の判断をしていました。今回の改正で球速に関係なく、警告または投球中止が言い渡されます。
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プレイヤーズコンダクト導入
これ実はプレイヤーにも関係ありそうですけど割と複雑なのでこちらに。
試合中のプレイヤーの行動によってその場でアンパイアがペナルティーを出す事が可能になりました。深刻さによってレベル1~4まで決まっており、レベル4(暴力等)は即退場です。
プロスポーツの影響を受けてプレイヤーズコンダクトはここ数年問題になることが多く、特に草クリケットでアンパイアに対して判定の不服や不適切な言動が見受けられ、アンパイアのなり手も減るといった事態に。
野球やサッカーと違ってクリケットは判定に不服を口にするのは禁忌とされているため、これによってアンパイアへのリスペクトが復活することを願っての改定です。
その2は覚えていなくてもほぼ影響はありませんが、それぞれの改定の趣旨を理解しておくとスポーツとしてのクリケットが将来どこへ向かおうとしているか何となく予想できるのではないでしょうか。