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クリケットと数字(個人スタッツ編)

 

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クリケット暗号

 

去年、あるジュニア選手がウチのクラブの試合に助っ人で出てくれました。家に送り届けた際その日の報告を保護者にしたのですが、

 

「今日のA君は8オーバー2メイデン20ラン4ウィケットで大活躍でしたよ!ミッドウィケットのフィールディングでもスクエアレッグに上がったフライをドロップせずに上手くキャッチしてラストパートナーシップを終わらせました!(超早口」

 

「あっ…(困惑)はい。今日は送り届けてくださりありがとうございました」

 

その方はクリケットのルールを何となく知っていても、競技者で無いためクリケット用語や数字にはそこまで詳しくなく、唐突に横文字で殴られたので言葉酔いになってしまったようです。これは初めて試合に出る初心者も似たような経験があるのではないでしょうか。

 

日本ではクリケットの動画配信があまりありません。つまりスコアシートやSNSに出てくる数字の羅列を読解しなければいけないので、最低限の数字の意味を知ってチンプンカンプンにならないようにしましょう!

 

今回も沢山の数字が出てくるので、個人スタッツと試合に分けて解説します。

 

 

バッティング編

CricHQというクリケットの電子スコア入力サイト からバッティングスタッツの例を持ってきましたので各項目を解説します。

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マッチ(Matches)

試合に出場した回数。

イニングス(Inns)

 バッティング機会の回数。自分に打順が回る前に攻撃が終わる事があるので、シーズン通すと大体試合数より少なくなります。

ノットアウト(NO)

  アウトにならずにイニングが終わった回数です。打順が下になるにつれてオーバー数制限でイニングが終わることが多いため、下位バッツマンに多くなる傾向。

ラン(Runs)

 バッツマンが打った点の合計。野球と同じく日本語では点と呼ばれますが、英語だと走った結果(Runs)と表現されますね。

ハイエスト(HS)

 キャリア通算での最高得点。

アベレージ(Ave)

 ラン÷(イニングス-ノットアウト)で求められる、アウトになるまで平均何点取るかがわかります。どの形式でもこの指数が最重視される事が多く、40オーバーだとアベレージ30以上、20オーバーだとアベレージ20以上ぐらいが良いバッツマンの基準とされています。

ストライクレート(SR)

 ラン÷ボール×100で求められる、フェースした1球に対して何ランを打っているかがわかります。ストライクレート200であれば1球につき2ラン打っています。野球であれば長打率が近いかもしれません。イニングに球数制限がある形式では重要な指数で、オーバー数が少なければ少ないほどストライクレートが高いバッツマンが重宝されます。40オーバーでは80以上、20オーバーだと110以上ぐらいが良いストライクレートの目安です。

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ODIでAve55.55、SR91.54の化け物バッツマン、Virat Kohli
50、100

 それぞれ1試合で50点を打った回数、100点を打った回数です。50はハーフセンチュリー、100はセンチュリーと呼ばれ、バッツマンにとって名誉の証です。

4、6

バウンダリーを打った数です。面白いことに、統計上バッツマンが1イニングで打つランよりも1イニングで打つ6の方がバラつきが少ないそうです。確かに長打を打てないバッツマンはめったに6を打たないですしね。

まとめ

 ラン・アベレージ・ストライクレートが高ければ高いほど良い。

 

 ボーリング編

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ボール(Balls)

 そのまま何球投げたかです。オーバー数で表現されることもあります。

ラン(Runs)

バッティングとは逆で合計何点取られたかです。そのため低ければ低いほど良いです。

ウィケット(Wickets)

何回バッツマンをアウトにしたかです。20~40オーバーだと1試合平均1ウィケット、オーバー制限無しだと1試合(2イニング)平均4ウィケット以上で優秀とされています。

ベストボーリング(BBI)

キャリアで一番良かった成績。上記例の場合4ウィケットを取って22ランを打たれた試合の成績がピックアップされています。

アベレージ(Ave)

 ラン÷ウィケットで求められる、1ウィケット毎に何ラン取られるかがわかります。少なければ少ない程良く、プロレベルでは35以下ぐらいからボーラー、30以下で優秀なボーラーとされます。

エコノミーレート(Econ)

ラン÷オーバーで求められる、1オーバー毎に取られるランの平均です。こちらも低ければ低いほど良いです。イニング制限が無い形式でEconよりもウィケットやアベレージが重要視されますが、オーバーが少なければ少ない程大事な指標です。20オーバーでは7以下、40オーバーでは5以下が優秀とされます。

 

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Econ4.64。めったに失投しないImran Tahir
 ストライクレート(SR)

 

 ボール÷ウィケットで求められます。何球ごとにウィケットを取れるかがわかりますが、オーバー制限のある形式ではそこまで重要視されません。

 4w、5w、10

 4と5は1イニングで4ウィケットや5ウィケットを取った回数。10はイニング制限無しの試合で2イニング合計10ウィケットを取った回数です。

 

まとめ

 ウィケットは多ければ良く、アベレージ、エコノミーレートは低い方が良い。

 

クリケットと数字(試合編)に続く…